こんにちは、川崎です。
2020年10月30日、今回はエクシアが仮想通貨取引所c0banを買収した件について記事にしていきたいと思います。
エクシアは2019年9月に第二種金融免許を持つ会社を買収、2020年6月に貸金業免許の取得、そして2020年10月に仮想通貨取引所の買収を完了しています。
次の事業に向けて着々と準備している感じのあるエクシアですが、今後どういう方向に進んでいくのでしょうか。
本記事の結論
- c0ban取引所自体が高収益会社ではない可能性が高い
- 取引免許用いた新規事業、もしくは既存事業へのテコ入れが考えられる
- エクシアの利回り向上に繋がる可能性もある
エクシア合同会社が仮想通貨取引所運営のc0banを買収
c0ban取引所を運営する株式会社LastRootsのリリース文を引用します。
暗号資産交換業者として「c0ban取引所」を運営する株式会社LastRoots(本社:東京都港区、代表取締役社長:三井貴彦、以下「当社」)は、主たる株主であった株式会社オウケイウェイヴ(本社:東京都港区、代表取締役社長:福田道夫、以下「オウケイウェイヴ社」)が、保有する当社の株式の全てを、エクシア合同会社(本社:東京都千代田区、代表社員CEO:菊地翔、以下「エクシア社」)に譲渡する株式譲渡契約を本日締結したことを受け、本日からエクシア社とともに更なる成長を目指すこととなりました。
このようにLastRoots社の主要株主のオウケイウェイヴの保有株式全てを購入したようですね。
この買収劇でエクシアはLastRootsの株の91.46%を保有するようになったようです。オウケイウェイヴからエクシアへの譲渡価額は2億2600万円とのことです。
またオウケイウェイヴのHPには、
エクシア社を引受先とした5億円の第三者割当増資を実行したことをお知らせいたします
とありますので、合計で7億2,600万円かけた大型事業ということになります。
c0ban取引所運営の株式会社LastRootsとは
暗号資産c0banが取引できる取引所「c0ban取引所」を運営する東京の会社です。
会社概要を下記します。
会社名 | 株式会社LastRoots |
---|---|
本社所在地 | 東京都港区虎ノ門4ー1ー28 虎ノ門タワーズオフィス 7階 |
事業内容 | 暗号資産交換業並びにブロックチェーン技術による企画・開発事業 |
登録番号 | 関東財務局長 第00018号(暗号資産交換業者) |
経営体制 |
代表取締役社長三井 貴彦
取締役(非常勤)福田 道夫(株式会社オウケイウェイヴ 代表取締役社長)
取締役(非常勤)大森 泰人(株式会社オウケイウェイヴ 社外取締役)
監査役(非常勤)飯田 俊彦(株式会社オウケイウェイヴ 常勤監査役)
|
執行体制 |
最高経営責任者三井 貴彦
最高執行責任者藤原 崇亮
最高財務責任者木村 雄幸
執行役員 内部監査部長太田 政人
執行役員 情報セキュリティ部長武田 良之
|
設立 | 2016年6月2日 |
資本金 | 1,473,636,600円(資本準備金含む) |
従業員数 | 46名(正社員、派遣社員、パートナーの総計) |
加入協会 | 一般社団法人 日本暗号資産取引業協会 一般社団法人 日本暗号資産ビジネス協会 |
開示情報 | 第3期 事業報告書(PDF:386 KB) |
取締役はオウケイウェイブ社が努めていますが、今後エクシアの用意した人物に刷新されるでしょう。
c0ban取引所の事業内容とは
そもそもc0banは、企業が広告で顧客を集める際に、そのインセンティブとしてユーザーにポイントを還元する方法として開発されたようです。具体的にはc0ban.tv(2020年1月にサービス終了)というところで企業のCMを見ると、ユーザーにc0banが付与される仕組みだったようです。これはいわゆるポイントサイトと同じ座組みですから、わざわざ仮想通貨を開発するまでもありません。おそらくcoban.tv以降にも様々な構想があったと思いますが、なかなかうまくいっていないのでは、と川崎はみています。
また、c0banは関東財務局が正式に仮想通貨取引所として認めた際、一時的に値上がりはみせたものの、c0ban.tvはサービス終了など、その後の好材料がなく値下がりを続けているようです。
ちなみにc0ban取引所の価格の推移をみても、直近半年ほど下がり続けていますので、あまり盛り上がっているようには感じられませんね。。
そもそもbitcoinを皮切りに盛り上がった仮想通貨ですが、実生活で使えるようにまではならず、あまり実態経済の伴わないギャンブル要素が強いものでした。c0banについてもbitcoinと同様でしょう。(日本初ということでbitcoinより好材料が出てくる可能性が低いです。)

仮想通貨取引所を買収するエクシアのメリットとは
エクシアのこのニュースを聞いて私は、
- 金融庁の第二種金融業に登録された会社を買収
- 貸金業の取得
を彷彿とさせました。
今後がさらにたのしみになる反面、免許取得後の具体的な動きが見えないことから単なるパフォーマンスなのでは・・・と思ってしまうところもあります。とくにLastRoots社の決算情報を調べてみると、令和元年の決算は、
- 当期純利益:△4億6,328万円
- 利益剰余金:△3億5,402万円
となっており、買収しただけではまだ利益は出ません。
ただ今回は具体的に株式の取得ということでそれなりに経費をかけているわけですから、具体的に事業へ活かす可能性が高いとも考えています。
では仮想通貨取引所をエクシアがどう活用していくのか、考察をしていきたいと思います。
エクシア・アセット・マネジメントの販売チャネルとしての買収?
私は、第二種金融免許を持つエクシア・アセット・マネジメントの組成するファンドの販売チャネルとしての活用を考えているのではないか、と考えています。
エクシア・アセット・マネジメントが金融商品を組成した場合、それを販売するチャネルが必要になります。
エクシア・アセット・マネジメントは第二種金融商品取引業に登録されているので商品の公募は可能ですが、販売チャネルは持ち合わせていません。そこで既にユーザーを抱えているc0ban取引所を買収し、取引所内でエクシア・アセット・マネジメントの金融商品を担保とした仮想通貨を作れば、既存のc0banユーザーに対してアプローチが可能になります。(法律的にこれがOKなのかは不明ですが)
エクシア合同会社の利回りに影響?
仮想通貨取引所を用いた新たな事業を展開することで、エクシア合同会社の利回り向上が見込める可能性も考えています。
現状c0ban取引所は暗号試算c0banのみを取り扱っています。そしてc0ban自体も値下がりを続けており、今後の好材料が見えません。
そこでエクシア合同会社の菊池社長から経営へのテコ入れや、アイデアやデザインの知見を取り入れ、株式会社LastRootsの価値を引き上げることで、エクシアはLastRoots社から配当を受けたり、株の一部を現金化することで収益を出せるのでは、と考えています。
もちろんエクシア合同会社の収益が増えれば投資家への還元額も増えるはずなので、今後のエクシアがより楽しみになると考えています。
まとめ
エクシア合同会社による、株式会社LastRootsの買収についてみてきました。
- c0ban取引所自体が高収益会社ではない可能性が高い
- 取引免許用いた新規事業、もしくは既存事業へのテコ入れが考えられる
- エクシアの利回り向上に繋がる可能性もある
あくまで予想ですから今後どうなるかはエクシア、LastRoots社の続報に要注目ですね!
それでは!